2005年竣工
所  在:小山市大字喜沢
用  途:幼稚園
規模・構造:鉄骨造 平屋建て
         (延床面積:101.30u)

■ 設計の条件
 伝統ある幼稚園の保育室兼イベントホールの増築です。園舎の増築が繰返されてきた当園においては、更なる増築は園庭を圧迫する状況にある中、最も園庭への影響が少ない場所が計画地として選定されました。ただ、そこには一面に浄化槽が附設されており、また近接して園庭を演出する桜の木があり、如何に増築するかが課題です。
■ 桜の木漏れ日の下で
 園舎と桜の樹に挟まれた限られた増築スペースにおいて、まず、布設されている浄化槽の点検空間を確保するため床レベルを上げる事としました。その結果、近接する桜の木の幹の上部にまで視線が上がりより身近な桜を感じる状況が生まれました。
 そして、園庭と桜に対して大きく全面開口とすることで、桜の花で大開口が覆われたり、木漏れ日に包まれた空間が生まれたり、四季折々の桜を楽しむ保育室となりました。更に高い視線で園庭を見渡すことができ、園庭の一角にある舞台空間としても存在感を高めています。桜の樹の下で過ごす園児達は、まさにスクスクと育つ「さくらんぼ」のようです。