■
設計の条件 |
|
土浦市の中心市街地に位置し、南東側が道路に面する正方形に近い敷地が計画地です。建物は当地のビル診で開院して11年が経過し、高い信頼のもと心療内科を中心に、地域に根ざすメンタルクリニックの新築です。
心療内科という特性から、アプローチや待合、診療空間などの雑多な外的刺激を避ける必要のある患者さんの領域と、深夜までおよぶ診察のストレス等を心地良く受けとめる事ができるドクターやスタッフの領域、この二つの特徴ある領域を如何に構成するかがテーマです。 |
|
|
■
光と視界をコントロールして |
|
計画では、まず街に対して建物の存在感をアピールするものの、クリニックを利用する患者さんの存在をわかりにくくする考え方から、建物の奥の物陰から入るようなアプローチ計画としました。
建物はアプローチを除き11.5m角の総2階建てで、1階が診療領域、2階が院長室、事務室などの管理領域としての設定です。1階は外的刺激を避ける為に直接外に向けての開口部は最低限とし、その為アプローチと待合室に光と緑を提供するスペースを設け閉鎖に伴なう不快感を取り除いています。
|
|
|
|
2階では、一転して屋根プレートを鉄骨造で持ち上げ光と風をふんだんに採り入れ、大きな視界を確保した構成で疲れた心身を癒してくれます。2階の主な諸室は軽量鉄骨の間仕切り壁の構成とし、建物の長期的な利用形態の変化に対応することができるようにしています。
建物の表情は、光と視界をコントロールして特徴ある二つの領域を重ね、そのままの形態を表現したものとなりました。街の中で昼夜を通して興味深い存在感を持ったキューブとして、しっかりと存在しています。
|