OH邸 「曲がり角のある家」

DATA

竣工: 2002年
所在:小山市
用途:住宅
構造:木造 平屋建て
延床面積:105.98 ㎡
受賞:2002年度 栃木県マロニエ建築賞奨励賞 受賞

設計にあたり

 小山市の市街地から少し離れた宅地化が未整備な長閑な風の香りが残る市街化区域内に位置しています。施主の大嶋さんは、造園、陶芸、登山と多様な趣味を楽しみながら、住空間を主とした建築に関わるフリーライターとして長年活躍されております。そんな御自身の住宅づくりにおいて、趣味の時間を充実させることは言うまでも無く、日常において自然を充分感じながら、楽しみながら生活することを要望されました。住宅は単身住まいであることもあり小規模且つローコストであることが必要とされました。

家の中に「曲がり角」を設けて

 ある程度敷地の広さがあるため計画は平屋となり、陶芸アトリエや生活空間といった必要最低限の機能を配置していくことで計画が始まりました。周辺環境ののどかな光と風をいかに生活に交えるか? これが最初のテーマとなり、それは屋外環境を誘い込む半屋外空間を設け生活動線と交差させることとで試みました。また、その半屋外空間は家の中でL字型に曲がっており「角」をつくる事で、突当たりの先など、視界の方向性と意識や期待感を高めることができたと思います。
 ローコストであることについては、素材の選択は勿論、シンプルな構造構成に努めました。生活の様々な場面で、自然環境に包まれた趣味を楽しむ空間が育っていくものと思います。