・栃木県マロニエ建築賞 受賞
・日本建築士会連合会
  関東甲信越ブロック会賞 受賞
掲載紙 :建築設計資料 No.39
      (建築資料研究社 発行)
1991年竣工
所  在:栃木県下都賀郡野木町
用  途:公衆トイレ
規模構造:鉄筋コンクリート造
       平屋建て(延床面積:81.00u)

設計の条件
 野木町は栃木県の最南端に位置し、都心まで約1時間という利便性により東京のベットタウンとして人口も急増し、目覚しい発展を遂げています。建物の敷地は、その中でも大規模な宅地開発が進む振興住宅街のほぼ中央にあり、近隣住民のスポーツ、レクリェーション、憩いの場としてある公園の一角になります。「一流のいなかまち」を唱える町としては、新しい公衆トイレとして従来の「暗い」「汚い」「狭い」イメージを脱却する建物でありたいと願っていました。
“快適なものかげ”づくり
 公衆トイレの定番イメージからの脱却する手段として計画においては、囲まれたプライベート空間を確保するのではなく、開放性を保ちながら“物陰で立ちションベン”ができるように快適な物陰を創ることがテーマとなりました。公園の延長空間として考える上で視覚的な目隠しとして自立壁を立て、また、別構造としての屋根に必要な部分にだけ覆われています。それぞれ男女のエリアに入ると植栽帯から続く公園の緑や青空へ開けた空間となっており、トップライトから降り注ぐ光と共に物陰に様々な表情を与えています。