竣工 | : | 2017年9月 |
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所在 | : | 群馬県前橋市 |
用途 | : | 歯科医院 |
構造 | : | 木造 2階建て |
延床面積 | : | 250.07 ㎡ |
施工 | : | (株)清水 |
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設計担当 | : | 山中邦之(元所員)、大島由里子(元所員) 柳 裕斗 |
構造設計 | : | 正木健太(正木構造研究所) |
【 設計コンセプト 】・・・「松並木」環境における舞台づくり
前橋市内の幹線道路沿いに位置し、前面道路は地域の貴重な歴史を刻んできた市内では知名度の高い「松並木」が残っている。建物はスタッフと患者の動線分離型の平面構成で待合室および診察ユニットへのアプローチ空間を道路に対し視覚的に全面開放し「松並木」環境と一体化した「舞台」として見立て、人(患者)の振舞いをも街の表情とした。
【 合板合成梁の採用 】
建物平屋部は小口径部材を構造用合板で挟んだ合成梁を格子状に組んだ屋根構造とし屋内外エリアを通して覆われている。また道路側の構造指示部材を軽減し室内患者空間と道路環境間の透明性を高め、更に特徴となる合成梁が建物アプローチ部や道路側に迫り出していることでその存在感を高め差し込む光模様の移ろいを楽しみつつ街景観に変化をもたらしている。
【 合成梁背空間の活用 】
高さ2mの合成梁背空間を利用して空調・換気設備の他、排煙窓や雨水の処理空間とし、排水管、ベントキャップ、意匠以外の開口部など通常外観を損なう要素の視覚的存在を消した。
【 GL+1300の基壇 】
1階床レベルをGL+1300としRC造の基壇を設けた建物とした。これは交通量の多い前面道路に対して車両事故などに対する安全性と視界高さの違いによる道路との距離感を獲得し、また一方、環境の特徴である「松並木」景観との距離感を縮めつつ沿道の「舞台」としての認識を高めている。更に床下空間を充分確保することで歯科医院に求められる床下配管類のメンテナンス性を高める一役を担っている。