日光教会と連携した沿道の景観づくり
世界遺産の街・日光の街道沿いに建つ商業施設です。日光では中心市街地の良好な景観形成を目指した条例整備が進む中、計画地は隣接して県重要文化財である「日光真光教会」が歴史を刻んだ表情で佇んでおり、周辺の自然環境と合わせて当市の重要な景観地域に位置しています。
計画は、お土産店舗の建て替えとして、街道から見えにくかった「日光真光教会」への視界を拡げると共に店舗のアプローチ空間と合わせて一体的な広がりのある沿道空間づくりを目指しました。建物は、商品となるカステラ等の和菓子店舗とケーキ、ジャム等の洋菓子店舗の共存した計画であり、敷地の傾斜を利用して手前に教会を見通せる可視性の高い洋菓子エリア、奥に一段高い落着きのある和菓子エリアを設定し、連続した空間であるものの床レベルと空間の質で区別化し共存を図りました。また建物の外観は切妻屋根の母家と片流れ下屋の構成で環境との調和を図り、また可視性を高めた日光教会と視覚的な連携を保ちながら落ち着きのある沿道の景観スポットになったものと思います。
店舗オープン後には買い物をしながら教会を楽しみ、教会見学の後に買い物を楽しむ観光客が増えたそうです。正にイイ関係ができつつあるんですね。